療育の初回無料相談を“あえて”行わない理由──支援は“お気軽に”では始まらない

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“相談はお気軽に”と書かない理由──「初回無料相談」を行わない本当のわけ

子どもの発達や言葉の遅れが気になっていて、誰かに相談したい

そんなとき、ホームページで──

“お気軽にご相談ください”

という言葉を見かけると、少し安心しますよね。
けれど、私のサイトにはその言葉がありません。

「お気軽にご相談ください」とは一度も書いていませんし、
「初回無料相談」も行っていません。

営業や集客のことだけを考えれば、そうした方が人が集まりやすいのかもしれません。
でも私は、あえてやらないと決めています。

理由は、とてもシンプルです。
“気軽さ”から始まる支援は、うまくいかないことが多いからです。

「え?どういうこと?」と思われた方にこそ、ぜひ最後まで読んでほしいと思います。

この記事では、これから相談を考えているお母さん・お父さんに向けて、
私が行っている療育支援の“本当の空気感”をお伝えします。


火事と療育支援の意外な共通点──「様子を見る」では遅いこともある

ここで、例え話をさせてください。

ある日、マンションで火事が起きました。
その建物に住んでいる方からの通報を受け、消防士が現場に駆けつけます。

消防士は火の回り方や煙の危険、避難のルートを経験上よく知っています。
でも、多くの住民にとって火事は初めての経験です。

どう動けばいいのか分からず、住民はただ混乱と不安の中にいる──
そんな状況で消防士は現場を確認しながら、はっきりと指示を出します。

「右は危険です!姿勢を低くして左へ!」
「荷物は置いて、ハンカチで口と鼻を覆ってください!」

当たり前ですが、ここで「とりあえず様子を見ましょう」とは絶対に言いません。


──実は、この構造は療育支援の現場にもよく似ています。

子育てで困りごとが起きたときに、私は“問題の火種”を見つけ、
混乱の中にいるご家族に「今すぐ取るべき行動」を、できるだけ分かりやすく伝えます。

それが、療育の支援であり、日々の私の仕事です。

だからこそ、私は「お気軽に」や「無料で」という形では始めません。
火災現場と同じように、1つの対応の間違いで大ごとになってしまうと、本気で思っているからです。

専門家の「様子を見ましょう」で支援が遅れてしまう──
その問題点について、こちらの記事でまとめています。
👉専門家の「様子見でいいですよ」は本当?──支援が遅れる前に知っておきたいこと


“もう少し様子を見よう”が手遅れになる前に──早期支援の大切さ

もちろん、出張カウンセリングの現場は命に関わるような緊急事態ではありません。
それでも、「急がなければならない」という点では、火事と似ています。

たとえば──

  • 言葉の遅れがあるお子さんが、早い段階でコミュニケーションの方法を身につけられたら、
    その後の人との関わり方や園生活が、驚くほどスムーズになります。
  • 激しいかんしゃくや他害が続いていても、 「そのうち落ち着くだろう」と様子を見てしまうと、
    行動のクセが定着してしまい、支援が難しくなることがあります。
  • こだわりの強さも、年齢が上がるほど影響が大きくなります。
    体が成長するにつれて、止めることも受け入れることも難しくなっていくのです。

どれもこれも、「早く気づき、早く支援する」ことがとても大切なのです。


ただ──
初めての子育てでは、「どこから相談すべきか」「何を話せばよいか」が分かりにくいものです。
だからこそ、気づいた段階で一度専門家に発達相談をしてほしいと思います。

私にとって、療育支援の現場は“ゆっくり考える場所”ではありません。
限られた時間と回数の中で、できるだけ多くの変化を引き出すことが求められます。

決して不安をあおりたいわけではありません。

けれど、問題がまだ大きくなっていない、早期の段階で成果を上げるためには、
「いつでもどうぞ」よりも──

今すぐ始めましょう

このほうが、ずっと現実的で正しいのです。

その一歩を早く踏み出せるかどうかで、支援のタイミングは大きく変わります。
──これは、長年現場に立ち続けてきた支援者としての、私の実感です。


支援する側にも、覚悟が必要です──“無料ではない理由”の本質

子どもの発達について、誰かに相談するのはとても勇気がいることです。
これまで多くの親御さんと向き合ってきて、その気持ちは私もよくわかっています。

けれど実は、支援する側にも同じだけの覚悟が必要なのです。

ご家庭に出張して初めてご家族にお会いするその日、
私はお子さんの様子を丁寧に観察し、課題を見つけ、できるだけ分かりやすくお伝えします。

そして、次回を待たず、その場で具体的な支援を始めます。

ときには、親御さんにとって耳が痛い提案をすることもあります。
それでも私は迷いません。なぜなら──

このご家族に会えるのは、今日が最後かもしれない……

こんなふうに、いつも心の中で「腹をくくってから」支援に臨んでいるからです。

もちろん嫌われてしまうことだって頭をよぎります。

でも、支援者として伝えるべきことを伝えないまま相談が終わるくらいなら、
もう私がこの仕事を続ける意味はない。

こうした姿勢こそが、私が「無料で気軽に始める」形を選ばない理由です。

一人ひとりのご家庭と真剣に向き合うためには、
支援者にも「覚悟」がなければならないと、私は思っています。

こちらの記事も参考になります。
👉私が出張カウンセリングを続ける理由──「家庭に踏み込む支援」が成果を上げる


“お気軽に”とは言えない。でも、全力で向き合います──支援の現場から伝えたいこと

ここまで、「火事」や「消防士」、そして「覚悟」といった少し重たい言葉を使ってきました。

出張でご家庭にうかがい、発達支援という繊細なテーマに向き合う以上、
どうしても一定の緊張感があるということをお伝えしたかったのです。

でも、実際の私の支援の雰囲気は──
本当のところ、“消防士”というより“スポーツのコーチ”に近いかもしれません。
(スポーツ指導者の本を読むのも好きで、影響を受けています)

たとえば、テニスのコーチが初心者に指導する際は、
ラケットの持ち方、スイングの角度、ボールのトスの位置など、丁寧に教えるはずです。

私の療育支援も、それとよく似ています。

  • 困りごとの原因が何か見つける
  • 具体的な練習の方法を考える
  • お手本を見せてやり方を示す
  • 取り組んでくれた親御さんを励ます

これはスポーツのコーチと同じです。

もう1つお伝えしたいことがあります。
私は、お子さんにも親御さんにも、絶対に怒りません。

どうしたらいいか分からず、困って相談に来てくださった方を責める──
そんな支援者がいるとしたら、それは支援者として失格だと思います。

むしろ、真剣に取り組んでくださったのにうまくいかなかったときは、
全て私の責任と考えます。

支援の成果は、支援者の力量にかかっている。
そう考えて、毎回のセッションに臨んでいます。

だからこそ、私は「お気軽に」「まずは無料で」とは言えません。
でも、もし勇気を出してお問い合わせをくださった方がいたなら──
その瞬間から、私は全力で向き合います。

当相談室の対象は、お問い合わせ時点で3歳未満のお子さんとご家族です。
この年齢制限も、単なる条件ではありません。
「先延ばしにせず、早く始めましょう」という、私からのメッセージです。

お子さんとご家族の未来のために、
今できることから、一緒に取り組んでいきましょう。


実際に早期支援に取り組んだ親御さんのリアルな声は、
こちらの記事で読むことができます。

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当相談室のご案内
  • 対象年齢: ご相談時点で3歳未満のお子さま
  • エリア: 千葉県・東京都を中心に出張対応
  • 支援方法: 応用行動分析学(ABA)に基づいた支援プランを個別にご提案
  • サポート内容: ご家庭での療育支援、親御さんへの具体的アドバイス

📩 お問い合わせは下記フォームよりお願いいたします。

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