「効果がなかった」「むしろ悪化した」──療育への不信感を抱えて来られる親御さんへ
親御さんから当相談室に初めてお問い合わせをいただくとき、
他のところで療育を受けているのですが…
と、既にいくつかの療育機関で支援を受けているという場合が少なくありません。
初回の相談で詳しく経緯を伺うと──
「何も変わらなかった」
「効果が感じられなかった」
あるいは、「ますますひどくなった」と、打ち明けられることがあります。
そのように親御さんが語られるとき、親御さんの言葉の行間から──
早期療育って本当に効果があるの?
という不信感が伝わってくることがあります。実際、これまでの支援に対する不満が語られることもあります。
もちろん、早期療育をまったく信じていなければ、当相談室にもお問い合わせはされないはずです。
それでも、これまでの経験から、疑いの気持ちを抱えたまま相談に来られる親御さんは少なくありません。
百聞は一見にしかず──初回相談でまず「見せる」理由
さて、そのような不信感を抱えた親御さんを前にしたとき、支援者の私が何を考えているかというと、
まずは見せたほうが早いかもしれない……。
ということです。続けて──
説明は後でしますので、先にお子さんと関わります。
と、親御さんに許可を得て、お子さんの発達や行動を確認しながら、これから提案する課題を、その場で組み立てていくのです。


具体的には、動作模倣の練習、大人が声をかけたら100%反応する練習、コミュニケーションを促す遊び方などです。
普通、初回の相談では、最初に懇切丁寧な説明をしてから、課題を開始すると思いますよね。
しかし実際の支援現場では、ケースバイケースです。最初に具体的な方法を見せる、説明は後からというパターンだってあり得るのです。
特に、初回相談の時点で支援に対する不信感があるケースでは、言葉を尽くすことよりも、先に変化を見てもらうことの方が多いかもしれません。
「百聞は一見にしかず」ということです。


初回相談に限らず、その日の相談をどのように進めるかについては、ご家庭やお子さんに合わせて判断します。
事前に用意した台本やマニュアルに沿ってではなく、臨機応変さや“アドリブ”が必要です。
お子さんやご家庭にとって何が必要かをその場で判断し、それに「合わせる」ことが、療育ではとても大切です。
早期療育が効果を感じられなかった本当の原因
さて、「早期療育って本当に意味があるの?」という声を聞くことがあります。このときは、「早期」と「療育」を分けて考える必要があります。
まず、“良いこと”は、できるだけ早く始めたほうが良いに決まっています。
言葉の練習にしても、生活に必要な行動の獲得にしても、支援が必要なお子さんであれば、早く始めるに越したことはありません。
では、それでも早期療育に効果が感じられなかったとしたら、何が問題だったのでしょうか。
それは「早期」の問題ではなく、「療育の中身」の問題だったと考えます。
より正確に言えば、支援する側が、お子さんやご家庭に合わせたプランを提案できていなかったということです。
先ほどの「初回相談」の例で──
台本やマニュアルに沿ってではなく、臨機応変さや“アドリブ”が必要です。
と書いたのは、そのためです。
支援は、あらかじめ決まった手順をそのまま当てはめるものではありません。
お子さんの発達や行動、ご家庭の状況を見ながら、その場で組み立てていくものです。
行動分析学の考え方では、学び手(つまり、子どもや親御さん)を責めるのではなく、うまく学べない環境を作っている側に目を向けます。
つまり、「子どもができなかった」のではなく、できるようになるための条件を、支援者が本当に整えられていたかどうかを、真っ先に考えます。
「ABAはうちに合わなかった」という言いまわしも、よく聞きます。しかしこれも、ABA(応用行動分析学)そのものの問題ではありません。
支援プランの中身、あるいは支援者の力量の問題であることがほとんどです。
「早期療育はうちの子に合わなかった」ではなく、支援者が合わせられなかった、ということです。
ただし、一点だけ「支援者の問題ではない」ケースがある
ただし、支援者側の問題ではなく、利用される側の問題という場合が、一点だけ存在します。
それは──
支援者の提案した方法通りにやろうとしなかった
という場合です。
「一生懸命やろうとしたが難しくてできなかった」とか、「勘違いして間違えてしまった」といったケースは、もちろん支援者の問題として引き受けます。
しかし、そうではなく──
そもそも支援者が言った通りにやらなかった
この場合は、支援者やプランの問題ではありません。
「そんなことあるの?」と思うかもしれませんが、普通にあります。
お金を払って支援を受けていても、支援者の言う通りにしないというケースは、実は珍しくありません。
前回提案した練習、やってみましたか?
と確認しても、
……。
このような場合です。
つまり、うまくいかないからと言って、なんでもかんでも支援者側の問題ではないということです。
「良い支援」を、できるだけ早く始めるために
療育は、早く始めることに大きな意味があります。ただし、早く始めれば、どんな支援でもよいということではありません。
お子さんの発達や行動を見ているか。
ご家庭の状況を見ているか。
そして──
その場の反応に合わせて、課題や関わり方を調整しているか。
大切なのは、そこです。
当相談室にお問い合わせをいただき、初回相談をお受けした場合にも──
本当に我が家に合った支援をしてくれるのかな……
という視点で、私を見ていただければと思います。
もちろん、実際に良い支援を行うためには、親御さんの協力も不可欠です。
良い支援を、早く始めましょう。
当相談室のお問い合わせについて、実は半数が1歳台です。こちらの記事で紹介しています。


当相談室は「3歳未満」という対象年齢を設けています。その理由について、こちらで解説しています。


当相談室では、応用行動分析学(ABA)を専門とする臨床心理士が、あなたのご自宅に出張して、療育を行います。
早期の発達支援を希望される方は、こちらよりご相談ください。


- 対象年齢: ご相談時点で3歳未満のお子さま
- エリア: 千葉県・東京都を中心に出張対応
- 支援方法: 応用行動分析学(ABA)に基づいた支援プランを個別にご提案
- サポート内容: ご家庭での療育支援、親御さんへの具体的アドバイス
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