「重たいケース」とは、診断名や手帳で決まるものではありません
私は、千葉県・東京都を中心に、子どもの行動や発達に不安を感じている親御さんから依頼を受け、家庭に出張して療育を行っています。
このような仕事をしていると──

実際、どういう相談を受けているのですか?
という質問をいただくことがあります。
これまでお問い合わせいただいた相談例は、ホームページにもまとめています。
言葉の遅れ、激しいかんしゃく、睡眠の乱れ、家族への他害など、相談の内容は実に様々です。
相談をお受けする際に、診断を受けているかどうか、手帳を持っているかどうかは問いません。
お子さんの特性が重いか軽いかだけで、受理するかどうかを決めることもありません。
ただし、複数のお問い合わせを同時にいただき、スケジュールの都合でどちらか一方しかお受けできない場合には、より支援の緊急度が高いケースを優先することがあります。
もちろん、親御さんの誠実さや、私の支援を受けたいという強い希望の方が、はるかに大切です。
では、私が「支援の緊急度が高い」と考えるのは、どのようなケースなのか。この記事では、3つの観点から解説していきます。
当相談室は、3歳未満のお子さんを相談の対象にしています。もしかすると──
え、2歳でそんな状態になるの?
と思われるかもしれません。でも、実際には普通にあります。
自傷や他害がある場合は、早期支援の緊急度が高いケースです
支援場面では、人を傷つける行動や自分を傷つける行動を、まとめて「自傷他害」と呼ぶことがあります。
他害とは、たとえば、叩く、つねる、掴みかかる、体当たりする、物を投げるといった行動です。
自傷とは、自分の頭を叩く、顔をひっかく、髪の毛を力いっぱい抜く、腕を噛むといった行動です。
一言で言えば、暴力です
このように書くと──
2歳で暴力なんて大げさでは…
と、思われる方もいるかもしれません。
それでも私は、あえて「暴力」という言葉を使います。
2歳の子どもが人を叩いたり、自分を傷つけたりしても、すぐに重大な結果には至らないかもしれません。
しかし、その時期はあっという間に終わります。
何より、人や自分を傷つける行動が幼少期から頻発していること自体が、大きな問題です。
家族が安心して家で過ごせるようになるためにも、1日でも早く支援を開始する必要があります。
過去記事でも、自傷行為に対する考え方をお伝えしています。


昼夜逆転など、生活リズムが崩れているケース
「1日がきちんと回っていない」という問題は、お問い合わせの時点では、親御さんの口から直接語られないことも多いです。
たとえば、最初の訴えは「かんしゃくが激しい」というものだったとします。
しかし、詳しく話を伺っていくと、
夜中の1時に起きて暴れることがあります……
こんな実態が明らかになることがあります。
他にも──
夕方から夜9時まで寝て、それ以降はずっと起きています。
寝るのが明け方になることもあって、幼稚園に行くのも大変です。
こんな話が出てくることがあります。
これは、昼夜逆転です。
睡眠時間が削られたり、不規則になったりすると、子どもも親御さんも確実に健康を損ないます。
ただ、特に夜間の授乳やミルクを経験してきたお母さんの場合、「夜に眠れなくても我慢する」が当たり前になっていることがあります。
また、集合住宅では、子どもが夜中に大きな声を出すと近所迷惑になるのではと心配になります。
そのため、子どもが暴れることを防ぐために、仕方なくお菓子を与えたり、夜間ドライブに連れ出したりすることもあります。


※現在制作中の療育マンガより
しかし、そのような生活が続くと、幼稚園や保育園に通っていても──



登園した時から眠そうです……
他にも、「給食の前に寝てしまいます」といった状態になり、日中の保育を十分に受けられなくなります。
その結果、夕方以降に寝てしまい、夜に眠れなくなる。ますます昼夜逆転が固定されてしまいます。
強いかんしゃくが、言葉の代わりになっているケース
ちょっとしたことで興奮したり、パニックになったりする。大声を出す、激しく泣く、床に倒れ込む、物を投げる。
このようなかんしゃくが、言葉の代わり、コミュニケーションの手段になっている場合があります。
激しいかんしゃくは、ある意味「最強カード」だと、過去記事でもお伝えしています。


よく──
言葉が出ないから、かんしゃくを起こすのも無理はない?
知的障害があるから、こうなるのは仕方ない?
と考えられる方がいます。
しかし、これは間違いです。
無発語の方でも、穏やかに暮らしている方はたくさんいます。
問題は、言葉が出ないことそのものではありません。
多くの場合、その子に合った伝え方、待ち方、切り替え方、生活習慣をまだ身に付けていないことが問題です。
つまり、未学習なのです。
この状態のまま半年、1年と支援が遅れれば、予後は悪くなっていきます。
強すぎる興奮は、自傷他害につながります。
また、言葉の獲得や、円滑なコミュニケーションの習得にとっても大きな妨げになります。
何より、大声で泣き叫ぶ人を、快く思ってくれる人はいません。
だからこそ、なるべく小さいうちに、興奮やかんしゃくを早期に「無力化」することを目指す必要があります。
重たいケースほど、様子見せず早期に具体的な支援が必要です
- 人や自分を傷つける行動がある
- 昼夜逆転など、1日がきちんと回っていない
- 強すぎる興奮やかんしゃく
このような状態がある場合、支援の緊急度は高いと考えています。
もちろん、当相談室は「重いケースしか受けない」「軽いケースは見ない」という判断をしているわけではありません。
診断や手帳の判定も関係ありません。
繰り返しになりますが、親御さんが相談を受けたいという熱意の方を、はるかに重視しています。
しかし実際には、地元の支援機関で断られてしまったり、どこに相談しても具体的な支援方法を教えてもらえなかったりするケースがあります。
それはやはり、そのケースが「重たい」からなのだと思います。
そういうケースを様子見することなく、早期に支援を開始すること。
問題がさらに大きくなる前に、予防的に支援すること。
それこそが、当相談室の存在意義だと思っています。
私の相談室は自費です。児童発達支援事業所でもないため、受給者証も使えません。
親御さんにとって、最初に選びやすい相談先ではないかもしれません。
それでも──
「子どもと家族のこれからのために、早期に支援を受けたい」
そう考えてくださるお問い合わせを、大切にしたいと思っています。
激しいかんしゃくに悩んでいた方の相談事例は、こちらから読むことができます。


「子どもが親と離れてひとりで寝る」──
当相談室では、このような支援も行います。


当相談室では、言葉の遅れや激しいかんしゃくなど、療育に関するお悩みを家庭に出張して支援します。
千葉県・東京都にお住まいの方で支援を希望される方はこちらからお問い合わせください。


- 対象年齢: ご相談時点で3歳未満のお子さま
- エリア: 千葉県・東京都を中心に出張対応
- 支援方法: 応用行動分析学(ABA)に基づいた支援プランを個別にご提案
- サポート内容: ご家庭での療育支援、親御さんへの具体的アドバイス
📩 お問い合わせは下記フォームよりお願いいたします。









