「ぷろんぷと」ってどういう意味?──相談室の名前の由来
当相談室の屋号は、こども療育相談室ぷろんぷとです。
親御さんから、ときどき聞かれます。
ぷろんぷとって、どういう意味ですか?
何か立派な理念があって、何日も悩み抜いて決めた名前のように思われるかもしれません。
しかし実際は、開業届を出すその日に思いつきました。
今回は、この相談室の名前について書いてみます。
開業届を出す日に、屋号が決まっていなかった
個人事業を始めるには、開業届に屋号を書くことになります。その日になって、
何て書こうかな…
と考え、パッと浮かんだのが「ぷろんぷと」でした。
そして、そのまま書きました。
ずいぶん軽い決め方です。
ただ、おそらく大学生の頃、初めて行動分析学という学問を知ったとき、そのきっかけとなった言葉の一つが「プロンプト」だったのだと思います。
前半を「こども療育相談室」にした理由も、それほど複雑ではありません。
「療育」だけでは、何をする場所なのか分かりにくい。
「発達支援」と言われても、具体的に何をしてくれるのかピンとこない。
それなら、
こどものことを相談する場所
とした方が分かりやすいだろう、と考えました。
プロンプトは、良い行動を引き出す「お助けヒント」
行動分析学におけるプロンプトを、分かりやすく言えば、
良い行動を引き出すための「お助けヒント」
です。
言葉でやり方を教えることも、もちろんプロンプトです。
しかし、それだけではありません。
- 写真や絵、手順表を見せる。
- 子どもが気づきやすい場所に、必要な物を置いてあげる。
- 手を添えて、動作を助けてあげる。
こうした働きかけも、すべてプロンプトです。
子どもが動かないと、大人はつい、さらに言葉を重ねます。
でも、言葉を増やせば動けるようになるとは限りません。
- 少し見せ方を変える。
- 物を置く場所を変える。
- 最初の動きだけ手伝う。
そんな小さな「お助けヒント」で、意外なほど簡単に動けることがあります。
身体プロンプトは、グラム単位で考える
プロンプトにも色々な種類がありますが、私が一番好きなのは、身体プロンプトです。


たとえば、知的な遅れが重く、自閉スペクトラム症の特性も強いお子さんの場合、初めて会った時点では、呼んでも来ないことがほとんどです。
A地点からB地点まで、ほんの数メートル移動することを教えるだけでも、親御さんは苦労されています。
そのようなときは、子どもの背中に手を添え、身体介助で進む方向へ誘導します
このとき、最初の誘導に1000グラムの力が必要だったとします。
次は800グラム。その次は500グラム…
少しずつ、手伝う力を弱めていきます。
そして、最後は0グラムです。つまり、背中の近くに手はあるけれど、実際には触れていないという状態です。
見た目だけなら、手から念を送って子どもを動かす「超能力」のように見えるかもしれません。
良い手助けは、最後にはなくなる
プロンプトで大切なのは、上手に助けることだけではありません。
その助けを、少しずつ減らしていくこと
これを、フェーディングと呼びます。
必要なときには、しっかり助ける。
子どもや親御さんが自分でできるようになったら、少しずつ手を引いていく。これが理想です。
相談室が、いつまでも必要な状態を目指しているわけではありません。
支援者が、
と威張る必要もありません。
療育の主役は、あくまでもご家族です。
「ぷろんぷとには、どのような意味を込めているのですか?」
と聞かれたとき、私はこう答えています。
気が利いて、厚かましくもない、良いお手伝いがしたい
ひらがなにしたのに、Googleには通じなかった
ところで、一般的にカタカナで「プロンプト」と書くと、コンピュータへの指示文や、入力を促すメッセージを思い浮かべる方が多いと思います。
開業当初、それと区別するため、屋号はひらがなの「ぷろんぷと」にしました。
ところが、インターネットで「ぷろんぷと」と検索すると、
もしかして:プロンプト
と表示されてしまいます。
差別化したつもりでしたが、残念ながら、検索エンジンには通用しませんでした…。
「ぷろんぷとさん」と呼ばれるようになって
個人事業を始めたばかりの頃、自分から屋号を名乗るのは、かなり恥ずかしく感じていました。
ところが、仕事を続けるうちに、幼稚園や保育園、地域の関係機関から、



ぷろんぷとさん
と呼ばれるようになりました。
自分で名乗ると少し照れくさい名前でも、誰かから呼んでもらうと、不思議と愛着が湧いてきます。
開業届を出す日に、思いつきで書いた名前でしたが、それでも10年以上、「ぷろんぷとさん」と呼ばれてきました。
今では、なんだかんだで愛着が湧いています。
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冒頭の11ページはこちらから読むことができます。


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