年長前まで夜のオムツが外れないとき
2歳頃から支援を開始したお子さんの場合、日中のトイレトレーニングは、だいたい3歳になるまでに完了するケースがほとんどです。
トイレトレーニングは、無発語でも始められます。こちらの記事で詳しくお伝えしています。

日中の排尿が完璧になったあとも、夜間については、
夜のオムツは、当面続けて大丈夫ですよ
とお伝えしています。
そうこうしているうちに、夜間のオムツも自然に必要なくなり、そもそも相談すらないというケースが、体感では9割5分くらいです。
ただし私は、夜間のおねしょについて、
そのうち自然に外れますよ
とは考えていません。
日中のオムツ外しが完了した時点で、親御さんにはあらかじめ、こうお伝えしています。
目安ですが、年長さんになる前くらいで夜のオムツがまだ外れていなかったら、相談してください。
おねしょを「そのうち」で先延ばしにしない
実際には──
- いつか夜のオムツも外れるだろう…
- そのうち、自分で起きられるようになるだろう
と引っ張り続けた結果、子どもが小学生になっても夜間のオムツが外れていないというケースは、決して珍しくありません。
長く続けば、親御さんにとっても、オムツを履かせて寝かせることが当たり前の習慣になっています。
今さら何から始めればよいのか分からない…。
失敗して布団が濡れるくらいなら、オムツでもよいのではないか…。
そんなふうに、改善への一歩を踏み出しにくくなっていきます。
一方、お子さん自身も、何も感じていないとは限りません。
お泊まりや旅行のたびに不安になる。
友達には夜のオムツについて言えない。
家族には平気な顔をしていても、実は本人なりに葛藤していることがあります。
それでも──
- もう少し様子を見ましょう
- 個人差がありますから
と、改善方法を何も提示せず、問題を先延ばしにする支援者もいます。気をつけなければなりません。
年長前になっても夜間のオムツが外れないのであれば、
では、そろそろ介入しましょうか。
と考えてもよい時期です。
日中もオムツがなかなか外れていない場合は、夜のおねしょとは別の問題として考える必要があります。


おねしょの原因を生活から探す
夜のおねしょについて相談を受けても、最初からおねしょアラームを使うわけではありません。
まずは、生活の実態を細かく確認します。
夕方から寝る前までの飲食の習慣はもちろん、おもらしを恐れるあまり、水分を我慢していないか。
どんな寝具を使い、どの部屋で寝ているのか。寝室からトイレまで、子どもが安全に移動できるのか。
出張相談では、実際に寝ている部屋や、トイレまでの導線も現地で確認します。
さらに、こんなことも尋ねます。
旅行や帰省したときは、どうでしたか?
そういえば、実家に泊まったときは、おもらししたことがありません……
自宅では漏らすのに旅行先では漏らさないなど、環境に手がかりがある場合だってあります。
何が夜間のおしっこのきっかけになっているのか。ひとつずつ情報を集め、あたりをつけていきます。
夜尿イコールおねしょアラーム、ではないのです。
次の一手「おねしょアラーム」
生活や環境を見直しても、あまり改善が見られない。そんな場合に──
おねしょアラームを使いましょう
と提案することがあります。
私がおすすめしているのは、少し値段は高くなりますが、ワイヤレスタイプです。
コード式は絡まったり外れたりすることもあるため、ワイヤレスタイプの方が使いやすいかと思います。
ただし、おねしょアラームは、買って装着すれば自動的におねしょが直る機械ではありません。
アラームを使うと、なぜ夜のおしっこが改善していくのか。
親御さんには、時間を長めに取って説明します。少し理屈っぽい話になるので、なるべく分かりやすく説明しますが、どうしても……
本当にこれで大丈夫なの?
という気持ちが完全には拭い去れないかもしれません。
一方、子どもには、難しい話はしません。
子どもには「魔法の目覚まし時計」と伝える
お子さん本人には、こんなふうに説明することがあります。
ちょっとママから聞いたけど、夜のおしっこ、気になっているの?
うん…。
実は先生、ドラえもんから、夜のおしっこを直す道具を借りてきたんだよ。
本当に!?
魔法の目覚まし時計があるんだけどね。これで一緒にやってみない?
やる!
よっしゃ!やり方はパパとママにも教えるから、頑張ろうね!
こんなふうに、子ども自身の決意表明が、親御さんの前向きな気持ちを引き出すこともあります。
おねしょのパターンも十人十色
臨床ですから、おねしょのパターンも様々です。
- 2~3日に1回
- 毎晩必ず
- 一晩に何度も、シャーシャーと出ている
このように、色んなケースがあるのです。
夜中にアラームが鳴ったときの、子どもの起こし方やトイレへの連れていき方にも、細かい注意点があります。
無理のない範囲で記録を取り、面接やメールで経過と家族の負担を確認します。
アラームを渡して、「これで頑張ってください」では支援になりません。
夜のおねしょ支援は、お子さんだけではなく、親御さんにとっても相当大変です。
数週間で見え始める変化
私の経験上ですが、おねしょアラームを使い始めると、おおよそ数週間以内にはポジティブな変化が見られます。
- 朝までドライの日が増える。
- 何度も出ていたおしっこの回数が減る。
- 漏らす前に、自分で起きられるようになる。
最初から毎日完璧に成功するわけではありません。それでも記録を振り返ると、
明らかに前とは違う
という変化が見えてきます。
そして、変化を実感するのは親御さんだけではありません。
昨日は濡れなかった!
自分で起きられた!
そんな経験が増えてくると、子どもの顔にも自信がみなぎってきます。
あれは嬉しいですね。
夜のオムツを外す意味は、オムツ代や洗濯物を減らすことだけではありません。
誰にも言えずに抱えていた悩みが一つなくなり、
自分にもできた
と思える経験を、親子で手に入れることでもあるのです。
私が行っている「出張療育」を漫画で描きました。
冒頭の11ページは、こちらから読むことができます。


当相談室では、言葉の遅れや激しいかんしゃくなど、療育に関するお悩みを出張して支援します。
千葉県・東京都にお住まいの方で出張療育を希望される方はこちらからお問い合わせください。


- 対象年齢: ご相談時点で3歳未満のお子さま
- エリア: 千葉県・東京都を中心に出張対応
- 支援方法: 応用行動分析学(ABA)に基づいた支援プランを個別にご提案
- サポート内容: ご家庭での療育支援、親御さんへの具体的アドバイス
📩 お問い合わせは下記フォームよりお願いいたします。








