コロナ禍で表面化した「親子関係の歪み」
今から6年前──
新型コロナウイルスの感染拡大によって、幼稚園や小学校は一斉に休園・休校になりました。
「不要不急の外出は控えてください」
この言葉が、合言葉のように叫ばれていた時期です。
しかし私は、一部をリモートに切り替えながらも、出張療育での支援を淡々と続けていました。
なぜなら──
多くのご家庭が荒れに荒れるぞ…
という確信があったからです。
そして予測通りでした。
母にべったりくっつくようになり、乱暴な行動が増えて困っています。
家で過ごす時間が長くなってから、かんしゃくが激しくなりました。
これまで支援を続けてきて、落ち着いていたご家庭からも、行動上の問題に関する相談が多く寄せられました。
さらには──
やけに相談の問い合わせが多いな…
と思って確認すると、新規のお問い合わせも急増していました。
結局、その年の相談件数は、前年に比べて約1.5倍に増えていたのです。
今回の記事でお伝えしたいのは、「コロナ禍はこんなに大変でした」という思い出話ではありません。
外出できない。園にも学校にも行けない。家族だけで過ごす時間が極端に長くなる。
その中で表面化したのは、単なる「子どもの荒れ」ではありませんでした。
少々厳しい言葉で言えば、コロナをきっかけに顕在化した──
「親子関係の歪み」
の問題だったのです。
今回の記事は、こちらの過去記事とも深く関係しています。


コロナ禍に増えた、かんしゃく・他害・不登園の相談
通常、教育相談の新規のお問い合わせは、「言葉の遅れ」がきっかけとなることが多いです。
ところが、コロナ禍の時期は、「子どもの情緒面」や「家庭での過ごし方」に関する困りごとが、相談問い合わせの中心になっていました。
具体的には──
- 一日中「ママ、ママ」としがみついて離れない
- トイレに行こうとしただけでパニックになる
- 「ちょっと遊んでて」と言うだけで、激しいかんしゃくが起こる
といった悩みです。
このように書くと、「外に出られなくてイライラしていたのかな?」と思われるかもしれません。
しかし、そんな甘い話ではありません。
初めての相談で実際に私がご家庭に足を運ぶと──
- 親の顔を拳で叩く
- 窓ガラスに向かって物を投げつける
- 動画やゲームへの過度な執着
他害、物壊し、依存など。誇張でもなんでもなく、本当にこんな相談ばかりだったのです。
休園が解除されたあとも、「登園したがらない」「園に行けない」という形で、不登園につながっていくケースもありました。
それまで、日中は保育園や幼稚園に預けていたご家庭も多かったはずです。
親子が離れて過ごす時間があり、家庭の中で起きていた問題は、まだ目立ちにくかった。
ところが、休園・休校によって、親子が一日中同じ空間で過ごすことになりました。
すると、それまで見えにくかった行動上の問題が、一気に表面化していきました。
コロナ禍によって、子どもが突然変わったわけではありません。
もともと家庭の中にあった問題が、隠れようのない形で現れたのです。
2歳・3歳でも親を「屈服」させる行動は起こる
支援の現場は、本当に生々しいです。
2歳、3歳でも、思い通りにならないことをきっかけに、とても強い力で親を叩きます。
大きな声で叫べば、親を簡単に「屈服」させられることを、生活の中で身につけていきます。
それまで自由に触れていたスマホを親が禁止にすると、床をバンバンと叩いて大暴れするケースもあります。
思春期、青年期の話ではありません。
2歳、3歳です。
もちろん、コロナ禍ではない時期でも、このような相談はあります。
しかし2020年の上半期は、まさに「こんなのばっかり」でした。
このままでは、お父さんとお母さんが奴隷になってしまいます
これは、私がご指導いただいた先生から教わった表現です。
支援でご家庭に伺うたびに、私はこの強烈な言葉を、親御さんにお伝えしていました。
このままの生活を続ければ、子どもの要求に親が振り回され続ける関係が、ますます強くなってしまう。
それを、どうしても伝える必要があったからです。
中には、「もう結構です」と相談を早期に終了されたご家庭もありました。
しかし、「確かにそうなるかもしれない……」と冷静に受け止められた親御さんも多かったです。
それくらい、家庭で起きている荒れ方が尋常ではなかったのです。
この時期の親指導、いわゆるペアレントトレーニングについては、次の記事も参考になります。




お子さんの奴隷になっていませんか?
そんな大変な時期を過ごしていたお子さんたちは、現在小学生になっています。
大暴れしていたなんて嘘のように、今では穏やかに過ごしています。
しかし、コロナの頃に支援を開始した親御さんの中には、今でも私との相談中に、
奴隷にならないように……
という言葉を使われます。
もちろん、親が子どもを屈服させるという意味ではありません。
子どもの要求に振り回され続け、親の生活も、子どもの生活も、どちらも崩れていく。
その状態に戻らないように、という意味です。
難しい時期を乗り越えられた親御さんだからこそ、子育てはちょっとしたことで崩れていくことを、身をもって知っているのです。
では今、あなたのご家庭ではどうでしょうか。
お子さんの奴隷になっていませんか?
イメージしにくい出張療育を漫画で描きました。
冒頭の11ページを読むことができます。


当相談室では、言葉の遅れや激しいかんしゃくなど、療育に関するお悩みを出張して支援します。
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- 対象年齢: ご相談時点で3歳未満のお子さま
- エリア: 千葉県・東京都を中心に出張対応
- 支援方法: 応用行動分析学(ABA)に基づいた支援プランを個別にご提案
- サポート内容: ご家庭での療育支援、親御さんへの具体的アドバイス
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