2歳の子どもがおもちゃや積み木を一列に並べる──これって問題行動?
出張療育でよくお受けする相談の1つが──
子どもがおもちゃをピタッと並べて遊ぶんです……。
というお悩みです。


ミニカーを走らせたり、積み木を何かに見立てたりするのではなく、奇麗に横一列に並べるばかり。
最初は「ちょっと不思議?」と思うくらいでしたが、どうやら並べ方、順番、幅などにも“こだわり”があるようです。
そんな我が子の姿を見ていると、
「この遊びを続けさせていいのかな」
と、だんだん不安になってきます。
親が「こんな風に遊んでほしい…」と思う遊び方ではないので戸惑いますし、気になってネットで調べてみると──
「自閉症の特徴」
なんて言葉まで出てくる。
そうなると、なおさら気になってしまいます。
並べる遊びは、絶対にやめさせてはいけない
では、やめさせた方が良いのか。
子どもの行動や発達面の支援をしている私は──
いいえ、これは立派な遊びです。やめさせないでください。
と、親御さんにお伝えします。
確かに不思議な遊び方ですし、親御さんによっては「気味が悪い」と感じる方もいます。
でも、こだわりの対象が「物」に向かうこと自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、「親がこう動いてくれないと怒る」のように、こだわりの対象が「人」に向かうことの方がよっぽどタチが悪いです。
では、どう受け止めれば良いのか。
まず何より、心がまえが大切です。
並べること自体は、何も悪くありません。
大人でも、ガンダムのプラモデルを思い思いのポーズにして並べる人がいます。男性アイドルのアクリルスタンドを奇麗に並べるファンもいます。
ミニカーを並べるのが好きなら、車の販売店遊びだと思えばどうでしょうか。
どう並べれば、もっと車のカッコよさが引き立つだろう?
そんなふうに考えてみると、案外おもしろいものです。
でも、少し触られたくらいでブチぎれてはいけません
ところが、これはどうでしょう。
たとえば幼稚園の先生が──



ちょっと見せてね
と声をかけて、おもちゃに触っただけで、
ギャー!!
と、ブチぎれる。
あるいは、家族が棚のほこりをはたいているとき、アクスタに少し触れただけで、
やめて!!!
と、激しく怒りだす。
これは、だめです。
問題なのは、並べることそのものではありません。
ほんの少し触られた。
少し位置が変わった──
そんな、ちょっとペースが乱されたくらいでブチぎれてしまう。
これは大きな問題です。
療育の中でも支援の対象として必ず取り上げます。


こだわり崩しが必要かを見るポイント──その遊びに「ちょっとお邪魔」してみる
ためしに、その遊びをしている最中に、大人が「ちょっとお邪魔」してみると良いです。
たとえば、並べているおもちゃにちょっと手が触れただけで、もう機嫌が悪くなる──
もし出張療育でそんな様子が見られたら、私は、さっさとこだわり崩しの練習を始めることを提案します。
もちろん、いきなり大きく崩すわけではありません。最初は、隣で眺め、おもちゃを渡す係に徹します。
しばらくしたところで──
先生にもこのミニカー見せてね♪
と、“3秒くらい”お借りして、すぐに返す。
あるいは──
こっちの並べ方も好きだけどな
と、“一瞬だけ”パトカーと救急車の場所を入れ替える。
文字通り、「ちょっとお邪魔」するのです。
あまりにも一瞬で、子どもが、
?
となるくらいから始めます。
そして最終的には、親御さんがガッツリ関わっても平気になるくらいを目指します。
集団では「自分のペース」だけでは過ごせない──小さい頃からこだわり崩しを練習する
「好きに遊ばせればいいじゃないか……。」
そんな声をよく聞きます。
えぇ、遊び方自体は最大限尊重してあげたいです。
ところが、社会や集団の中では、個々人のペースが尊重されないことが当たり前のように起こります。
幼稚園や保育園では、お友だちがスッと寄ってきて「これ貸して」とおもちゃを持って行ってしまうかもしれません。
そのたびに大声を出したり、キレて叩いたりするようなことがあれば、そこにいるみんなが不幸です。
こだわりたくても、こだわれない。
ペースが崩され、思い通りにならない。
そんな未来が確実に訪れることは、最初から分かっています。
小さい頃から、先々を見据えて練習しましょう。
これが私の支援スタンスです。


もちろん、先々だけではなく、目下のことでもあります。
小さい頃からすぐにかんしゃくを起こす、キレて叩く。
叩く手がどんなに小さくても、やっていることはとてつもなく大きなことです。
「子どものペース」と称して、親が子どもに媚びることが当たり前になれば、その代償は「行動上の問題」となっていくでしょう。


今回の話は、ブログを読んだだけで何とかできるほど簡単ではありません。こだわり崩しの具体的な練習などは、専門家の指導の下で行うべきです。
まとめです。
並べる行動そのものに罪はありません。
むしろ、人ではなく物にこだわるのはポジティブです。洗練された遊びに昇華させていきましょう。
だけど、こだわりがちょっと崩されたくらいでブちぎれるのは、やっぱりいけません。
小さい頃からの支援で、こだわり崩しも練習しましょう。
実際に、ミニカーなどをピタッと一列に並べていた2歳のお子さんへの出張療育を、漫画でも紹介しています。
ぜひ、こちらも見てください。
冒頭の11ページはこちらから読むことができます。


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